■月で咲く花■
■断片■
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■『“歩くサボテン”の異名を持つ、無数のトゲが生えた古代生物
その化石が、中国南西部雲南省の発掘調査で発見された。
その化石には、学名「ディアニア・カクティフォルミス(Diania cactiformis)」が与えられた。ムカデのような体は長さ約6センチで、堅い殻に覆われた10対の脚には関節を備えていたようだ。』
National Geographic News
May 30, 2012

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■植物は硬い細胞壁で覆われている為動けないというのが今まで常識と考えられていたが、上記のような“歩くサボテン”の化石が発見されたことにより、我々は常識を改めなくてはならなくなった。
ところで縄文杉の樹齢は約3000年と放射性炭素による測定で明らかになった。
3000年という年数は人間の寿命と比較すれば極端に長い。
そして世界最古の植物は、Posidonia oceanica で、その寿命は推定20万年と言われている。
何故植物はそんなに長生きが出来るのだろうか?

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「最初の単細胞生物では、自分と同じ細胞を次々に複製してゆきました。
みな同じ遺伝子を持っているので、分裂した細胞集団はすべてが自分自身ですから、死ぬことはありません。」

『植物はなぜ5000年も生きるのか』鈴木英治 講談社より引用
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それは、「みな同じ遺伝子を持っている」為に、自己分裂を繰り返すことで永遠の命(長寿)を保つことが可能だった為だと言う。
38億年前に地球に生命が誕生して以来、生物進化の過程で寿命が短くなったのは有性生殖を採用することになったからだともいう。
自己の遺伝子に配偶者の遺伝子が交じり合うことで、変異が発生した。
これにより自己保存の欲求は、次世代に遺伝子を伝えることが目的となる。
要するに有性生殖以降、我々の存在価値は、次世代と先行世代を繋ぐ遺伝子の架け橋になった言える。

ここに紹介した極秘写真は、巨大な歩くサボテンの遠景だ。
直径20メートル程の巨大なものだ。
この巨大な歩くサボテンは、春分日と秋分日の深夜に青い巨大な花を咲かせる。
何を隠そう・・・・・
これは、月に昇った魔術師トファルドフスキの現在の姿なのだ。

この存在は、当然ながら一般には秘せられている。

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■記憶や空間学習能力に関わる脳の器官である海馬(かいば)に寄生する寄生虫により脳細胞が壊死する症例が、最近激増している。
人間を宿主とし最終的に主を食い尽くす捕食寄生者は、エビやカニ等の魚貝類を生で食べることにより人間の体の中に進入する。(寿司等を食したことが原因である場合が大半だ。)
この寄生中は体の各器官を侵しながら次々に転移してゆき、最終的に人間の脳組織に入り込み、海馬を形成する新生神経細胞の配置を決定する蛋白質であるガーディンを食べつくしてしまう。
これにより脳細胞は融解壊死する。
当然患者は、生きた屍と化す。

片麻痺、意識障害、失語などの症状が露呈した段階での駆除は殆ど手遅れとなる。
この段階では、寄生虫は脳の器官に深く進入してしまっていて手の施しようが無い。
初期症状としては、疲労感、倦怠感、悪寒、微熱、眩暈、口内の乾き等があるのだが、軽い風邪でたいしたことはないと院内に於いてさえ見過ごされてしまうケースが多いのが現状だ。

何故、最近になってこのような寄生中が大量に発生したのか現在調査中だ。

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■サイバースペースに棲息するディオメデス■
■地球最後の時に出現した天馬■
■人類を絶滅させる目的で地球に住み着いた寄生虫■
■魔術師トファルドフスキの勇姿■
■月で発見された巨大な歩くサボテンの全景■
A flower to bloom at the moon.
Magician.
◆◆◆《雑感》◆◆◆*****************

※断るまでも無いだろうが、上記の写真は加工したものだ。当然、文章もフィクションだ。

■今、私の手元に『小牧源太郎シュルレアリスムの実証〈貌〉』 講談社刊がある。
日本のシュルレアリストである小牧源太郎の全体像を一冊に纏め上げた労作だ。
小牧の作品を概観して真っ先に感じたことは、彼は画家というよりもデザイナーとしての資質に富んでいるということだ。
彼の紡ぎ出す造形は斬新且つ洗練され、色彩感覚は非常にモダンで進歩的だ。原色を滲ませながら淡い色彩でバックを描いているのだが、それが中心に位置する抽象化された造形を炙り出す効果的な触媒となっている。彼の描き出す造形は、ミロやカンデンスキーを髣髴とさせる記号に似た形象を取っているが、私は日本独自の浮世絵的感覚に近く立体を平面に置き換えたものだと捉えている。構図の捉え方と色彩の配置。
彼の強みは何といってもこれに尽きる。
造形的な新奇性を求めるのなら、今やPCを使えば誰にでも簡単に出来る。
しかし、この色彩のブレンドは譬え『色彩辞典』を手元に置いて作ろうとしても、なかなか作れるものではない。
また30年、40年前の彼の作品が、今見ても斬新に見えるのは、彼の優れた色彩感覚がなせる業だ。

■庭のクジャクサボテンが3輪、大輪の花を咲かせた。
何か良い事が起こりそうな予感。

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