2013年、春爛漫
■Who am I?■
■I love you!■
■There is no error in my opinion.■
■Cherry blossoms are loved.■
■Beautiful hips.■
■Albert Einstein is genius.■
■断片■




■今、私の頭部は、約-196℃の液体窒素下で冷凍保存されている。
癌に蝕まれた私の肉体はボロボロに破壊され、現在の医療技術では助かる見込みは皆無だった。
もはや残り1年の命と診断された時、私は冷凍保存を請け負う会社と契約したのだ。
命が途絶えた時、私の頭部は切断され、冷凍保存を請け負う会社の施設へと搬送された。
私の頭部は将来医療技術が進歩し、蘇生出来る段階に達するまで、半永久的に施設内に保存されることとなったのだ。
果たして、医療技術が進歩し私が再びこの世で生きることが可能なのだろうか?
私は、薄暗くひんやりとした人気のない施設の中で、数十体の死体と並んで冷凍保存されていた。
「寂しい所だ。」
そう私は呟いた。
「この先、自分は一体どうなるのだろうか?」
「再び、この世で生活することが可能なのだろうか・・・・」
「家族は元気でいるのだろうか?私が蘇生した時に、果たして家族の皆は存命中だろうか?一刻も早く蘇生し、家族と会いたい。」
私は心肺停止し完全に死に、そして肉体から頭部を切断された状態で、要するに首から上だけの頭部だけで、こうして意識を持っていることにある驚きを感じていた。

まだ私は、生きているのだ。
変な表現だが、肉体を失ったにも拘らず、私の意識ははっきりと状況を分析していたのだった。

隣の頭部に目をやった。
苦虫を噛み潰したような顔をした老人の顔が、そこにあった。
頑固者らしい皺が目の周囲を刻んでいた。
鋭い眼光と薄い髪、顔のエラが張り出し、耳も鼻も極端に大きかった。
目は一点を凝視していた。
「この爺さん生前は、きっと事業で大成して大金持ちだったんだろうなぁ・・・。それとも豪農で、土地でも売って安楽に暮らしていたんだろうか?」
私はそんなことを想像していた。
その時だった。
その鋭い眼光が私を振り返った。
私は肝を潰した。
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