●OVER THE HILLS AND FAR AWAY.
(大いなる愛に抱かれて)







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●彼女が見つめているもの・・・
それは星などではありません。
彼女は永遠を探しているのです。
いつも夜空を見つめながら、永遠を探しているのです。
今では、夢見る少女の年齢を遥かに超えてしまいましたが・・・、
にもかかわらず、彼女は永遠を探しているのです。
彼女は、果たして永遠を手に入れることが出来るのでしょうか?
それは、誰にも分りません・・・

僕は思うのですが・・・
永遠とは、幸せを求めて捜し歩いたメーテルリンクの戯曲、『青い鳥』のようなものかもしれません。
実は、僕も永遠をずっと捜し求めていたような気がします。
いつかこの手に掴んでみせる・・・
そう思って、何年も何年も時間を費してきた気がします。
僕にとっては、
永遠とは真理と置き換えても良いかもしれません。
いや、生きる意味と置き換えた方が良いかもしれない・・・
それほど、重要なものだったのです。
しかし・・・最近になって思うのですが、
果たして、そんなものがこの世に存在するのだろうか?
絶対に手にすることが不可能なものを、自分は追い求めていたのではないのか?
そんな気がしてきたのです。

実は、彼女はいつも窓の外で、彼女の安全を見守っている男性の存在に気がついたことはありませんでした。
永遠を探すことに夢中で、窓の外に男性がいるなんてことを考えたことも無かったのです。
また男性は声を発することもなく、静かに彼女の安全だけに気を配っていたのです。
人間は、決して一人で生きてゆく事はできないのです。
彼女は、まだそのことに気がついてはいません。
大きな愛と安心に包まれて初めて、人は永遠を捜し求めるものなのかもしれないのです。




自分が不幸だと考えているあなた・・・

よーく周囲を見回して御覧なさい。
あなたのことをいつも見守っている深い深い愛。
きっとあなたは、気がつく筈ですよ。




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■のっぺらぼう■



●もし汗と一緒に顔が溶けて流れてしまったら、あなたはどうしますか?

のっぺらぼうになった、あなたの顔を見て、人々は果たしてそれがあなただと思うでしょうか?
もし、あなたが誰しもが認める肉体美を誇る方だとしたら、人々は顔の無いあなたであろうと、あなたの肉体からあなたの存在を認めることができるかもしれません。
しかし、そんなことに一体何の意味があるのでしょう?
顔のないあなたには、他人に話し掛けることもできなければ、誰もあなたの表情を知ることもできないのです。
あなたは、物を見ることも、口をきくことも、音を聞くことも、物を食べることも、匂いを嗅ぐこともできないのです。
勿論、化粧をする楽しみもありません。
笑うことも、泣くことも、怒ることさえできないのです。
あなたは、顔を使って、自らの意思を他人に伝える方法を失ってしまうのです。

これは、決して笑い話ではありません。
実は、某整形外科で手術を受けたある女性の顔が、汗と一緒に崩れ始めたのです。
そして、今、同様な事案が続出しているのです。
鼻がとれたとか、乳首が落ちた等は、以前から日常的にあったことですが、顔が溶けるという現象が多発しているのは、最近になってからなのです。


その日は、晴天でした。
湿気の少ない、とても長閑で快適な日だったのです。
突然、空が曇ったと思った瞬間、雷鳴が響き渡りました。
そして、激しい雨が、空からバケツの水をこぼした様に降り注ぎました。
人々は慌てて軒先に飛び込みました。
異変は、この時に起こりました。
その雨に濡れた女性の頭髪が突然抜け落ち、顔が溶け出したのです。
その雨は、女性の顔だけでなく、細胞を破壊し、そして中枢神経を犯し脳までも瞬時に破壊してしまったのです。
最初は、瞼がだら〜〜んと垂れ下がり、続いて汗を拭いた時に鼻が毀れ落ちたのです。
瞬く間に目も溶けて流れ落ち、歯が抜け落ち、耳も溶け落ちてしまったのです。
やがて口が肉で塞がれ、彼女の顔はのっぺらぼうになってしまったのです。

彼女の脳細胞は、この時に破壊されておりました。
自らの異変に、恐怖の余り発狂したのです。
ですから、彼女は、自らの顔が完全に溶けてしまったことさえ認識する事ができなかったのです。
豪雨の中、両手を天に突き立て、彼女は踊るように回転していました。


後に、これは手術で使用した糸が酸性の雨と反応して伸び、顔全体の筋肉を支えきれなくなったことが原因だと判明しました。



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■Human existence itself ■





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